真空技術の発達に伴って

19世紀なかばに始まる陰極線の研究は、イギリスのJ・J・トムソンによる比電荷の測定により電子の存在を確立した。
一方、陽極線の研究は、それが分子線であったため、比電荷は陰極線に比べ非常に小さいことがわかったが、その値はばらばらで陽子の存在を確立するに至らなかった。
イギリスのE・ラザフォードは、金箔や白金箔でのα粒子の散乱で大きな散乱角のものが多い現象を分析して、原子のほぼ全質量が原子の中心の非常に狭い領域に集中していることを明らかにし、原子は、原子のほぼ全質量を担う原子核と、それを取り巻く電子からできているとする原子模型を実証した。
こうしてもっとも軽い水素原子の原子核として陽子の存在が確立した。

素粒子は物質を構成するもっとも

基本的とみなされる要素を素粒子という。
電子、光子、それに原子核を構成する陽子、中性子はすべて素粒子である。
素粒子は、日常目にする物質とは異なって、量子力学的法則に従っている。
すなわち設定されている条件によって、波動とみえたり、粒子として観測されたりするのである。
その後の研究の発展により、陽子、中性子などがより基本的要素=クォークから成り立っていることを示す状況証拠が集積されてきており、ことばの本来の意味からすれば、陽子、中性子それ自身ではなく、クォークを「素」粒子とよぶべきかもしれない。
素粒子は、質量、電荷の有無、スピンの大きさなど量子論的「粒子」としてのいろいろな特徴を備えているが、加えて一定の条件の下で、たとえば電荷の保存の下で相互に転化しあうという特異な性質=相互作用をもっている。
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